2021年も師走を迎え、年が変わるとすぐ確定申告です。

2022年(令和3年)分の確定申告の留意点について、まとめてみました。

1.コロナ給付金関係

2021年は、コロナ対策のため、各種の給付金や助成金が支給されました。

その内容によって、課税となるもの(確定申告が必要)と非課税となるもの(確定申告不要)に分かれ、課税となるものはいつ収入計上したらよいか、が問題となります。

課税関係と収入計上時期について、まとめてみました。

名称課税非課税収入計上時期
持続化給付金 支給決定時
家賃支援給付金 支給決定時又は経費発生時
休業要請給付金 支給決定時
一時支援金・月次支援金 支給決定時
雇用調整助成金 支給決定時又は経費発生時
小学校休業等対応助成金 支給決定時又は経費発生時
特別定額給付金  
子育て世帯への臨時特別給付金  
ひとり親世帯臨時特別給付金  
学生支援緊急給付金
(学資として支給されるものに限る)
  

2.税制改正

(1)2022年(令和3年)度 所得税の改正内容

 2022年(令和3年)度の改正内容は以下のとおりです。

住宅ローン控除:住宅ローン控除の控除期間を13年とする特例措置(コロナ特例)の期間が
 延長されました。一定の契約期限及び入居期限を満たすことが必要です。

  【契約期限】 注文住宅:令2年10月~令和3年9月

    分譲住宅等:令和2年12月~令和3年11月

  【入居期限】令和3年1月1日~令和4年12月31日

  また、延長された部分に限り、合計所得金額1,000万円以下の方のみ、
  面積要件が50㎡から40㎡に緩和されます。
  
  住宅ローン控除申告書も電子データでの提出が可能になっています。

セルフメディケーション税制の見直し

・取組に関する書類の確定申告書への添付は不要となります。(要 手元保管)        

・医薬品購入費は明細を添付(取組に関する事項も明細に記載する必要があります)

(2)令和3年分 確定申告書フォームの変更点

令和3年分の確定申告書のフォーム(案)が国税庁サイトにて公表されました。

 以下、主な変更点を説明します。

01.pdf (nta.go.jp)

①現状、令和3年の確定申告期間は、令和4年2月16日(水)~令和4年3月15日(火)までとなっています。

→令和2年、令和3年提出分は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で期間が延長されましたが、令和4年提出分は延長されていません。

②行政のデジタル化推進により、押印不要になりました。

③事業収入の区分欄

→帳簿の保存方法を「優良な電子帳簿」「一般の電子帳簿」「紙の帳簿(複式簿記)」「紙の帳簿(複式簿記以外)」から選択して記載する欄が確定申告書Bに追加されます。

④不動産収入の区分欄1・2が新設されました

→事業収入の区分欄と同様、帳簿の保存方法について、区分欄2に記載します。

⑤雑収入(その他)欄の区分欄が新設されました

→個人年金や暗号資産取引に係る収入の有無を確認するための項目

⑥所得の内訳蘭の名称変更

⑦住民税の特定配当等の申告不要欄の追加

→特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として確定申告書の提出のみで申告手続きが完結できるよう追加されます。

⑧住宅ローン控除:1面では新たに4つの追加項目(契約日、不動産番号、増改築した場合の家屋の総床面積、新型コロナウイルスの影響による入居遅延記載欄)

→2面では適用期間の延長のほか、再居住に係る事項欄の新設など変更点あり。

なお、あくまでもフォーム案であるため、今後変更の可能性があること、ご了承ください。

3.確定申告の電子化

 2020年(令和2年)1月から、スマートフォンを利用して確定申告書の提出ができましたが、2022年(令和4年)から一層便利になり、その内容は以下の通りです。

①スマホ専用画面の対象が拡大

 現在:給与所得、雑所得、一時所得、すべての所得控除、政党等寄付金特別控除、災害減免額、予定納税額、本年分で差引く繰越し損失額

【New】:上場株式等の譲渡所得等・配当所得等、上場株式等の譲渡損失、外国税額控除

②【New】:スマホカメラで源泉徴収票が読取れます

③送信方法:

 (A)「マイナンバーカードを使って送信する方法」

 用意するもの (a)マイナンバーカード+(b)ICカードリーダライタ または 【New】マイナンバーカード読取対応スマートフォン

 (B)「IDとパスワードで送信する方法」

 用意するもの ID・パスワード方式の届出完了通知書(身分証明を持って税務署に行き発行してもらうものです)

(注)IDとパスワードで送信する方法は暫定的な対応です。お早めにマイナンバーカードを取得し、マイナンバーカードを使って送信する方法への移行をしてください