2021.10.4自民党の岸田文雄総裁が、臨時国会で第100代首相に選出されました。

岸田総理は総裁選で「1億円の壁」打破、金融所得課税の強化を訴えておりました。

1億円の壁とは何でしょうか?

給与所得などの総合課税に対する所得税課税は累進税率(所得税45%、+住民税10%=計55%)が適用されるので、1億円を超えても税率は下がりません。

一方、株式譲渡などの金融所得に対する所得税課税は一律20%(所得税15%+住民税5%=計20%)なので、高額所得者(所得1億円以上の富裕層)は金融所得を増やすことで税負担を意図的に下げているとされ、

これを1億円の壁と呼んでいるようです。(国税庁「申告所得税標本調査」参照)

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/shinkokuhyohon2019/hyouhon.htm

岸田氏の主張は、アベノミクスを修正し、格差是正・中間層を拡大するとのことですが、

具体的な政策の一つとしては、1億円の壁問題への取り組みとして、

金融所得に対する税率を引き上げし、まずは税率30%にすることを目論んでいるようです。早ければ、年末の税制改正大綱に織り込み、来年から適用という流れになります。

年末の株式市場は株価が上がりやすいというアノマリー(理論的説明できない事象)がありますが、今年の年末に関しては、税率が上がる前の売り圧力で“株価が下がる”ことへの対処、にも備えた方がよいかと思います。